『太陽の石』乾石智子

『七人の魔法使い』『ダークホルム』等のDWJ作品といい、わいわいと大人数のきょうだい話が好きなんだなと自分の嗜好を改めて思っていたら、どんどんそんな暢気なことを言っていられない事態に。
 
『魔道師の月』のレイサンダーとキアルス(コンスル帝国暦857〜862年)より下って1699〜1700年とその約300年前、出身地が苗字になったレイサンダーの子孫らしいイザーカト九きょうだいの話。
『夜の写本師』はこれより更に100年以上後の時代か。
・・・と思っていたら、あらら時代がループするの と一瞬思ってしまうような名前に思わず既刊本の年代を見直した。
パラドックスではなく、たまたまというか同じような思考を経て名づけるものなのねというか。という意味でループといえなくもない
 
前2作は好きなものの、またしても過去の誰かのことを見るという構造かと、敬遠気味で読むのが遅れた。基本はそうだが少々様相が違った。
 
お兄ちゃんと弟どもがいいのだ。
そして表紙がいい。とてもいい。綺麗な絵だけれどあまり気にしていなかったのが、読んでその意味が判るとなんとも・・・・。
 
表紙に人物を描くときはこの程度までで抑えてくれるといいなー。あんまり顔が全面だとまずイメージが違うから。そしてたとえ好きなイラストレーターの絵でも大概安っぽくなってしまうから。ましてや単行本という高価なもので。ライトノベルと新書はもとがそういうものなので抵抗ないけれど